必ずしも大手音楽教室じゃなくてもいい理由


音楽教室を選ぶ時に

 

大手教室(ヤマハや島村楽器など)がいいのか?

個人でやっている教室のが良いのか?

 

分からないという方も多いかと思います。
またはなんとなく大手音楽教室が良いと思っている方や
そもそも大手教室以外にも教室ってあるの?

っていう方もいるでしょう。

そんな方々のために必ずしも大手音楽教室じゃなくてもいい理由と、
それでも大手を選ぶメリットを2項に分けて書きたいと思います。

 

この項では、必ずしも大手音楽教室でなくてもいい理由を書きます。
それは以下の3つのポイントからです。

①大手の先生だからといってなんでも教えてくれるわけではない
②演奏レベルのバラツキが大きい(特にポピュラー科)
③同じ先生なのに授業料は高い

それでは、①~③の理由の詳細を説明したいと思います。

①大手の先生だからといってなんでも教えてくれるわけではない

良く勘違いされている方がいるのですが
先生=万能、オールラウンダーっと思っている方がいらっしゃいます。
先生なんだからなんでもできるんでしょ?っと・・・

これ、料理人に例えると分かりやすいかと思いますが、
プロの料理人だからと言っても、どんな料理でも一流並にできる
なんてことはないですよね(人並以上にはできるでしょうが)?
和食の料理人なら当然和食が得意ですし、イタリアン専門の方もいます。

音楽も同じように、まず大きくジャンルの違いがあり、
使用する楽器の違い等もあります(例:主にエレキギターを使うのか、アコースティックギターを使うのかなど)。

もっと細かく分けると、プレイスタイルの違いなんかもあります。
速弾きが得意なのか、メロディアスに歌うように弾くのが得意なのかetc

書いていくときりがないのですが…

正直、1人の人間が全部をこなすのは不可能です。
これは講師に限った話ではなく、一流のアーティストでもそうです。

ロックミュージシャンがクラシックのCDをリリースすることなんてほぼないですよね?

なので、”大手に採用されているんだからなんでも教えてくれるんでしょ?”っという
先入観で入ると、教えてほしいことを教えてくれない(教えられない)ということになりかねません。
和食の料理人にメキシコ料理のコツを聞いても的確な答えが返ってくるとは思えません。

自分にあった教室を見つけるポイントは

習いたいと思ったらまずはその先生の演奏が
聞けないか尋ねる。もしくはネットで検索してみてください。

それが難しいならせめて質問してみるだけでもいいと思います。
例えば
どういうジャンルが得意ですか?

とか

普段はどういう演奏をされていますか?

等々

そういうところを事前に聞いても答えてくれないところや

できると思いますよというような曖昧な返事をするところは

やめておいた方がいいと思います。
これは個人でやっている教室もそうなのですが・・・

ちなみに私のところにも過去
「とにかくメタルの速弾きがしたいんです」
っと習いに来た方がいたんですが、私はそこまでメタルの速弾きは
得意ではない(というかほとんどやっとことない)ので、

正直に

「私ではあまり役に立てないかもしれないので、どこどこの教室ならそういうことが
得意な方がいるかもしれません」っと案内差し上げたこともあります。

さらにちなみに私の得意なのは弾き語りとフィンガーピッキングです。
これについてはかなりのレベルまで教えられると自負があります!

では次…

②演奏レベルのバラツキが大きい(特にポピュラー科)

これは大手教室の採用試験方法に原因があるのですが、
一般的にクラシック科よりもポピュラー科の採用試験(特に先生の演奏能力を見る試験に対して)は

甘い傾向があります。

 

ただ、これはある意味しかたのないことなんです。
というのもクラシックの世界は歴史が長く、その中で普遍的な教育カリキュラムも作られてきました。

一方でポピュラー音楽は歴史も浅く、どちらかという自由にそして個性を出すという点に重きが置かれている音楽です。

そのせいで、客観的に判断できる採用基準、採用試験を考えることは困難です。

クラシックの場合、先生になるには最低どのレベルのエチュードが弾けて、
グレードは何級以上を持っていなきゃいけない等の客観的に合否を決められるものがあります。
ポピュラー化にも採用時に試験が課せられるところがほとんどですが、
クラシックの先生になるために必要なグレード試験に比べると甘い傾向があります。

また、商売的に考えても教室側もあまり演奏レベルは高くなくてもすごく人気のある先生なら
生徒が集まるので採用したいと考えます。

そこで、クラシック科に求められるような試験をして、それに合格しないからという理由で採用しないと
みすみす集客力のある人材を取りこぼすことにもなりかねません。

実際私も何社か受けましたが、平気で今日はこの試験(その時は聴音の試験でした)は

やりませんみたいなこととかがあります。

例えば、英検などで今日はスピーキングの試験はなしです。

筆記に受かった方は全員合格です

 

・・・

 

なんてことにはなりませんよね?

しっかりとした演奏能力を見極めるなら、決められた試験はすべてやるのが普通ですよね?

なので、これも①と同様、習う前に先生の演奏を聞いて本当にその人に教えてもらいたいかを
自分で判断する必要があります。


③同じ先生なのに授業料が割高
一般的に大手音楽教室の授業料は個人で教えているようなところと比較すると高い傾向があります。
また、コラム「安くて質の良いレッスンを受ける裏技」にも書きましたが、先生によっては
大手教室でも教えているし、それとは別に個人で教室をやっている方も多くいます。
この場合、同じ先生でも大手で教えてもらう場合とその先生に直接教えてもらう場合は
授業料が割高になります。
これは当たり前ですよね(上記コラム参照)。
なので、特に先生自体が気に入っているのであればその先生に直接(大手教室介さず)
教えてもらったほうがお得です。

それでは、事項ではそれでも大手を選ぶメリットについて書きたいと思います。