具体的な練習方法(基本編)


ここでは練習フレーズを使って具体的な練習方法について書いていきます。

まずは練習フレーズの紹介です。

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一応フレーズの解説を。。。

右手のフィジカルなトレーニングが目的ですので難しいと感じる方は

理解しなくても大丈夫です。

このフレーズはBのスパニッシュ8ノートスケールです。

主に7thコード上で使えますが、今回はB7のコード上で弾いています。

2弦から始まって一旦上昇し、途中からシークエンス(同じパターン)で

下降しているだけです。ところどころで#9thとM3rdの音を省いたりしています。

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それでは練習方法です。

まずは前項までの注意事項を意識しながらゆっくりとしたテンポで

弾いてみてください。

ここで、左右それぞれの手のポイントをまとめておきます。

 

右手

・手首をまっすぐにする

・指はこぶしを自然に握るときの動作線上にあるようにする

・弦に対して指を深く入れすぎないようにする

・指で弦をはじくというよりは弦の上をすべらせるもしくは押し込む

・弦移動するときは腕全体で動かす

・指はMP関節から大きく動かす

・腕を回転させる力と引き上げる力を使う

 

左手

・手首がまっすぐ

・指が自然に握りこむ動線上にある

・指板に対して指がまっすぐ配置されている

  ⇒小指中心の意識、人差し指付け根をネックにつけない

・タッピング(ハンマリング、プリングだけ)で弾けるぐらいの意識で弾く

 

練習方法はこれらの注意事項を意識しながらフレーズを弾いていけばいいのですが、

まずは普通にゆっくり弾くという練習ではなく、

 

右手と左手を別々に練習してください。

 

最初は左手だけの練習をおすすめします。左手の方が練習がしやすいので。

練習方法は簡単で、右手を使わず紹介したフレーズをタッピングで弾いてください。

この時になるべく指、手、腕を固定させず大きく動かして、左手だけで

ある程度の音量が出せるようなるまで練習してください。

 

特に効率よく(省エネで)やろうとすると動きが小さくなってしまうので、

効率よくではなく、とにかくなるべく大きな音がだせることを意識して

練習してください。

 

これは少し練習すれば比較的できるようになると思います。

 

  

次に今度は左手を使わずに右手だけで紹介してフレーズを弾いてください。

左手を使わないとフレーズが弾けない?

そうですね。正確にはフレーズではなく、すべての弦を開放にして、

右手のピッキングパターンだけを弾くという意味です。

 

具体的にピッキングパターンを書くと(※すべて開放弦)

という風になります。どうでしょうか?

上の回数を見ずに右手だけをパッと弾けた人は相当すごいです。

 

右手って何気にやっていますが、いざピッキングパターンだけを

とりだすとできないですよね?

これはいかに右手をなんとなくでやっているのかということを示しています。

特にここを読んでくれている人は右手の奏法について悩まれている方だと

思うので、なるべく右手を意識して練習できるようにこの練習をしてみてください。

 

私もすべてのフレーズでこういう練習をしているわけではないのですが、

特に弾けないフレーズの時は右手と左手をばらばらで練習します。

 

基本的な練習は以上です。

これらの練習は他のどんな練習でもそうですが、

最初はなるべく間違えない速さで、かつ最初にまとめた

注意事項が意識できるぐらいの速度からはじめて徐々に速くしていってください。

 

ちなみにこの項の終わりに理想的な練習速度について紹介したいと思います。

 

それは上記の本に書いてあってなるほどと思ったのですが、

練習するときの理想的な速度は10回やって7回から8回以上

成功できるのが理想的な速度だそうです。

 

これは10回弾いて、やっと1回か2回成功する速度だと

言い変えると8回か9回は失敗をする練習をしていることになるからだそうです。

 

確かにそうですよね。8割か9割も失敗する練習をしていたら、

本番ではより多く練習した”失敗すること”が出てしまいますよね。

少なくとも半分以上は成功する速度でやらないと失敗することの方が

多く練習したことになりますよね。

 

この練習中にはなるべく失敗しないというのは他の本でも書いてあるし、

上手な人は皆さんそういう練習をしています。

 

こう書くと、

「遅い速度だと速く動かす練習にはならないのでは?」

っと思う方のもいるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

これは私の大好きな本「ピアニストの脳を科学する」に書いてあるのですが、

 

 

高速度カメラで超絶技巧で速弾きをするピアニストの指の動きを撮影し、

それをスローモーションで再生し、普通にゆっくりと弾いた時と

動きに差があるのかを観察するという実験があります。

 

 

その結果はなんと、速弾きで弾いた指の動きをスローモーションで再生すると

普通にゆっくり弾いた時の指の動きとほぼ一致したそうです。

 

これは速く弾くためには指が特殊な動きをしているのではなく、

ゆっくりと弾いた時の動きのままで、それを単に速く動かしているということを

示しています。

 

上記の実験はピアノのものですが、すべての楽器にあてはまると思います。

 

そして、これは私も実感しているのですが、ゆっくり確実に弾く動きが

きれいにできていれば、ある程度速くなっても弾けます。

なので、まずはゆっくり確実に弾いて、正しい動きを身体に

覚えこませる練習をすることをおすすめします。

 

それでは次の項ではさらに突っ込んだ練習方法や役にたつ道具などを

紹介したいと思います。